景気動向指数 2021.07

5. 内閣府景気ウォッチャー調査

6月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差9.5ポイント上昇の47.6となった。家計動向関連DIは、住宅関連が低下したものの、飲食関連等が上昇したことから上昇した。企業動向関連DIは、製造業等が上昇したことから上昇した。雇用関連DIについては、上昇した。6月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差4.8ポイント上昇の52.4となった。家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが上昇した。なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差9.0ポイント上昇の45.4となり、先行き判断DIは前月差5.8ポイント上昇の52.6となった。今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直している。先行きについては、感染症の動向を懸念しつつも、ワクチン接種の進展等によって持ち直しが続くとみている。」とまとめられる。

※地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て,地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し,景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。調査は毎月,当月時点であり,調査期間は毎月25日から月末である。本調査業務は,内閣府が主管し,下記の「取りまとめ調査機関」に委託して実施している。各調査対象地域については,地域ごとの調査を実施する「地域別調査機関」が担当しており,「取りまとめ調査機関」において地域ごとの調査結果を集計・分析している。

2.物流・購買・調達・サプライチェーン関連記事抜粋:令和3年6月1日~6月30日

 主題概要
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≪用語解説:記事内の用語を確認します≫

英シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)
IISSが公表した15カ国のサイバー能力を分析した報告書で、日本は3段階で最低の「第3級」に分類された。「いくつかの分野では強みがあるが、他の分野では大きな脆弱性がある」という。日本のデジタル分野の出遅れが響いた。報告書は6月28日付。最高の「第1級」に分類されたのは米国のみ。「第2級」はオーストラリア、中国、フランス、ロシア、英国など。「第3級」は日本のほか、インドやインドネシア、イラン、北朝鮮などだった。報告書は米英など英語圏5カ国による機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」の同盟国としてフランス、イスラエル、日本の3カ国を挙げた。ただ、フランスとイスラエルを「サイバー能力の高いパートナー」と位置付けたのに対し、日本は「同じく同盟国だが、強力な経済力にもかかわらず、サイバー空間の安全保障面では能力が低い」と指摘した。日本に関しては、「多くの企業が防衛力強化のためのコストを負担しようとしない」などと問題点も列挙した。報告書はそれぞれの国の能力を「戦略とドクトリン」「サイバー空間における世界的リーダーシップ」など七つの項目で分析した。その上で、「少なくとも今後10年は米国の優位が続く可能性が高い」とする一方、中国が「第1級の米国に加わる軌道に乗っている」と結論付けた。
日産自動車 最高執行責任者アシュワニ・グプタ Ashwani Gupta
インド人技術者、実業家。三菱自動車工業代表執行役最高執行責任者を経て、日産自動車取締役代表執行役最高執行責任者兼北米日産取締役会議長。インド共和国ウッタル・プラデーシュ州デヘラードゥーン出身。1992年に地元のジャワハルラール・ネルー工科大学エンジニア課程を卒業後、技師となり、また、INSEADの経営大学院で学位も取得した。1996年にはホンダシエルカーズインディア・リミテッド・コモディティ・バイヤーに就任。2006年ルノー ・インディア購買担当ゼネラル・マネージャー。2008年ルノーRNPOブレーキ・シャシー部門グローバル サプライヤー アカウントマネージャー。2009年ルノー・日産グローバル購買担当デピュティゼネラルマネージャー。2011年日産自動車ダットサン担当グローバル プログラム ダイレクター。2014年ルノーLCVビジネス部門バイスプレジデント。2017年ルノー・日産アライアンスLCVビジネスアライアンスシニアバイスプレジデント。2018年ルノー・日産・三菱アライアンスビジネスアライアンスシニアバイスプレジデント。2019年三菱自動車工業代表執行役COO。同年日産自動車代表執行役最高執行責任者兼チーフパフォーマンスオフィサー。2020年日産自動車取締役代表執行役最高執行責任者兼チーフパフォーマンスオフィサー。同年新設の北米日産取締役会議長を兼務。明るい性格とされ、インド出身ながら日本語に堪能。
孔子学院
中華人民共和国が提案したプロジェクトで、海外の大学などの教育機関と中国の大学等が提携し、中国語や中国文化の教育及び紹介、中華人民共和国との友好関係醸成を目的とする中国語教育機関である。孔子の名を冠しているが、儒学教育機関ではなく、中国語語学教育機関である。大学レベルの「孔子学院」と、中学・高校レベルの「孔子学級」がそれぞれ設置されている。「孔子学院」の方は、ドイツのゲーテ・インスティテュートやフランスのアリアンス・フランセーズ、スペインのセルバンティス文化センター、そして部分的にブリティシュ・カウンシルを模して作られている。2009年現在世界で推定4000万人が中国語を学んでおり、需要は高い。2019年末までに162の国と地域に550校が設置され、分校に相当する「孔子課堂」が1,172校設置されている。孔子学院プロジェクトは2004年に開始され、同年11月大韓民国ソウル市に初めての海外学院が設置された。孔子学院・孔子学級の目的は主に、海外で中国語と中国文化を教えることである。中国語を教えるほかに、漢方医学や中国史、文化、社会、武道、演劇、生け花、剪紙などをも教える。現代の話題を取り上げることもある。孔子学院プロジェクトは、2004年度から「中国国家対外漢語教学領導小組弁公室」が推進してきたが、2020年6月より中国の大学および企業・団体等による「中国国際中文教育基金会」が担うことになった。中国政府が新たに設置した「中国教育部中外語言交流合作中心」が、国際的な中国語の教育基準の策定・実施、国際的な中国語の教師、教科書、科目などの構築と学術研究支援、国際的な中国語の教師試験と中国語研修等を担当している。