3. ユーロ圏景況感指数
IHSマークイットが1日発表した6月のユーロ圏製造業PMI改定値は63.4で、5月の63.1から上昇し、1997年6月の調査開始以来最高となった。新型コロナウイルス感染防止のための規制が緩和されて需要が拡大し、生産が活発化したが、原材料コストの高騰も顕著となった。サービス部門でもインフレ圧力が顕著となり、総合投入価格指数は66.8から69.8に上昇し、約21年来の高水準となった。需要が増し、さらなる制限措置の緩和が日常生活の正常化につながるとの期待が生まれる中、向こう1年に対する楽観度合いが改善。サービス事業期待指数は71.2から72.7に上昇し、2000年8月以来の高水準となった。新型コロナ流行の最悪期が過ぎたとの楽観的見方が企業の成長期待を21年ぶりの高水準に押し上げており、向こう数カ月でさらに力強さが増すとの見通しにとって幸先が良い。
※民間企業であるマークイット社が発表するユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)とは,景気転換の先行指標であり,製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化したもの。数値が前回より上回った場合,対象国の通貨は買われやすくなる。ESI(欧州委員会景況感指数)は企業や消費者のマインドを表し,国内総生産(GDP)と似た動きを示す代表的な景気指標である。同指数は50が活動拡大と縮小の分かれ目。