景気動向指数 2021.05

① 米製造業景況感指数:製造業回答者の声

Manufacturing PMI® at 60.7%

April 2021 Manufacturing ISM® Report On Business®

  • New Orders, Production, and Employment Growing 新規注文、生産、雇用は増加
  • Supplier Deliveries Slowing at Slower Rate; Backlog Growing サプライヤー出荷は緩慢な遅れ;受注残は増加している
  • Raw Materials Inventories Contracting; Customers’ Inventories Too Low原料在庫縮少;顧客在庫過少
  • Prices Increasing; Exports and Imports Growing 価格上昇;輸出入増加

米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した4月の米製造業景況感指数は60.7で前月から4.0ポイント低下した。約37年ぶりの高さとなった前月から下がったが依然として高く、製造業の強い拡大が続いた。ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(65.0程度)は下回った。「新規受注」は64.3で3.7ポイント低下したが、堅調さを維持した。「生産」は62.5で半導体、材料などの不足で5.6ポイント低下した。「雇用」も55.1で4.5ポイント低下した。急激な需要増で材料不足や供給網の乱れが深刻化している。回答企業からは「売れ過ぎて製造が追いつかない」(家具・関連製品)、「仕事はたくさんあるが、材料確保が心配」(電気機器・部品)、「これほど(生産)リードタイムが長くなり、材料価格が高騰したのは過去35年初めて」(プラスチック・ゴム製品)といった声が相次いだ。

米ISM製造業景況感指数
製造業約350社の購買担当者に対し受注や生産状況をアンケート調査により聞き取りし、月初めの第1営業日(その2日後に非製造業を公表)に公表している統計。日本の企業短期経済観測調査(日銀短観)に似た統計といえます。米主要統計の中でも最も早く月初めに発表されるため、市場関係者の注目度が高く、景気の先行指標とされています。一般に好不況の判断の境目とされる50%を割れると景気後退で、50%を超えると景気拡大と判断されます。GDPとの関連性を持たせるために2008年1月分の統計より算出方法が変更され、現在は「新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫」の5項目(比率はそれぞれ20%)につき、「増加、同じ、減少」の回答結果をもとに算出する。民間調査機関13社の予測値(中心値)が前もって出回るので、リリース時にはそのギャップも重要になります。

製造業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING …

1Chemical Products 化学製品上流の生産者/サプライヤーはオンラインに戻り、100%操業に向けて取り組んでいる。需要は供給を上回っており、サプライチェーンが補充されると予想される第3四半期まで続くだろう。需要と供給は第3四半期から第4四半期にかけてより均衡が取れているが、顧客が需要を満たし、在庫を再構築するのに苦労しているため、需要は続いていく。
2Transportation Equipment 輸送機械引き続き好調な販売だが、世界的な半導体チップ不足のため、一部の生産を削減しなければならない。在庫には未だ大きな影響はないものの、チップ供給が早く回復しない場合、利用可能な在庫が減少し始める。
3Food, Beverage & Tobacco Prod 食品・飲料・煙草飲食店が再開するにつれて、景気は回復する。
4Fabricated Metal Products 金属加工製品鉄鋼価格は狂ったように高い。国内の製鉄所の通常点検が機能していない:輸入された鉄鋼はセクション232の関税によって歪められる。 ※1962年通商拡大法232条に基づいて課している鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税
5Machinery 一般機械需要は引き続き非常に堅調だ。サプライチェーンが遅れているため当社の可用性と数量販売能力が妨げられている。
6Electrical Equipment, Appliances & Components 電気機器、電化製品、部品銅や鉄で作られる材料を生産に供給することは益々難しくになっている。工場内での作業は多くあるが、支える資料の入手難を心配している。
7Plastics & Rubber Products プラスチック・ゴム製品自分は、35年間の購買経験の中で、色、フィルム、段ボールから樹脂に至るまでリードタイム延長と価格上昇など全てが上がっているのを見たことがない。電子メールスパム(迷惑メール:my spam filter)仕分けによると、現時点で豊富にあるのは個人用保護具[PPE]だけだ。
8Computer & Electronic Productsコンピューター・電子製品現在の電子機器/半導体の不足は、リードタイムと価格設定に多大な影響を及ぼし、全部ではないにしても、殆どの供給網で価格が全般的にインフレ傾向だ。
9Petroleum & Coal Products石油・石炭製品石油生産は、市場価格と設備投資とともに安定している。
10Furniture & Related Products家具・関連商品殆どの地域のマーケティング能力は売られ過ぎで、現実的な改善は見込めない。実際、需要は引き続き強まり、より重大な混乱に繋がると思われる。
11Primary Metals 一次金属金属市場は最善でも非常に挑戦的で課題が多い。特にアルミと炭素鋼では、原材料不足が増えてきている。価格は急速に上昇し続け、輸送とトラック物流も大きな課題となっている。