③ ユーロ圏景況感指数
ユーロ圏景況感指数
IHSマークイットが発表した2月のユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は57.9と、3年ぶりの高水準となった。需要の急増が背景。原材料が不足し、投入コストが上昇した。20年前の算出開始降での高水準となった。生産指数は57.6と、前月の54.6から上昇。好不況の分かれ目となる50を大幅に上回った。
チーフエコノミストは「今年のユーロ圏経済では、これまでのところ、製造業の明るさが益々増えているようだ」と指摘。「製造業の堅調な拡大が、多くの接客業で続いている新型コロナウイルス関連の低迷を相殺する要因となっていることは明らかで、最近の多くの国でのロックダウン措置の影響を緩和し、経済全体の縮小ペースの制限に寄与している」と述べた。
工業品の需要急増を背景に、雇用は過去2年近くで初めて増加した。ただ、ロックダウンに伴うサプライチェーンの混乱や原材料不足で、納品までの期間は大幅に伸びた。
同氏は「急拡大に伴う独自の問題が浮上している。原材料の供給がまだ需要に追いついていない。出荷の遅れや原材料不足が様々な分野で報告されており、サプライチェーンの遅れは記録的な水準に迫った」と述べた。原材料不足を背景にサプライヤーの値上げ率は過去10年近くで最高となった。投入価格指数は68.3から73.9に上昇した。
※民間企業であるマークイット社が発表するユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)とは,景気転換の先行指標であり,製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化したもの。数値が前回より上回った場合,対象国の通貨は買われやすくなる。ESI(欧州委員会景況感指数)は企業や消費者のマインドを表し,国内総生産(GDP)と似た動きを示す代表的な景気指標である。同指数は50が活動拡大と縮小の分かれ目。