2024年3月報告

4. 中国の製造業景況感

[北京 1日 ロイター] – 財新/S&Pグローバルが1日発表した2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9と、1月の50.8から小幅に上昇し、市場予想の50.6を上回った。生産と新規受注の伸びが加速し、企業の景況感を10カ月ぶりの高水準に押し上げた。中国国家統計局が同日発表した製造業PMIは49.1と、景況拡大・縮小の分かれ目となる50を5カ月連続で下回っており、対照的な結果となった。

財新のPMIでは、2月半ばに春節(旧正月)の連休があったにもかかわらず、生産が昨年5月以来の速いペースで拡大。好調の理由について企業は市場の環境改善や受注増を挙げた。新規輸出受注は2カ月連続で増加。世界的な需要の回復基調を映した。企業の景況感が昨年4月以来の高水準を付けた一方で、雇用は6カ月連続で減少した。財新智庫のエコノミストは雇用の減少と物価の低迷は「デフレ圧力が持続している」ことを示したと指摘した。また、同財新が5日発表した2月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.5と、前月の52.7から低下した。昨年11月以来初めて企業が人員を削減した。景況拡大・悪化の分岐点となる50は14カ月連続で上回った。サービス部門の拡大ペースが加速した先週の国家統計局PMIとは対照的な内容となった。 財新のPMIでは、春節(旧正月)の8連休中に経済活動が活発化したもかかわらず、新規ビジネスの伸びは1月とほとんど変わらなかった。明るい面としては外需が昨年6月以来最も堅調となった。

中国国家統計局PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。
PMI(中国製造業購買担当者景気指数)
全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。
2009年設立の財新/S&Pグローバルの月例まとめ
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