2022年2月報告

3. ユーロ圏景況感指数

IHSマークイットが1日発表した1月のユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は58.7と、前月の58.0から上昇した。速報値の59.0からは下方修正されたが、好不況の分かれ目となる50を大幅に上回った。供給網の制約が緩和した。ただ、国ごとにばらつきがあり、インフレ圧力は依然として強い。生産指数は55.4で、前月の53.8から上昇した。チーフエコノミストは「ユーロ圏の製造業はこれまでのところ、過去の新型コロナウイルスの流行局面よりも、オミクロン株の流行をうまく乗り切っているようだ。受注は4カ月連続で改善した」と指摘。「ただ、ユーロ圏全体で均等に改善したわけではない。ドイツ、オランダ、オーストリアは復活したが、イタリア、スペイン、ギリシャは減速し、フランスの生産はほぼ停滞した」と述べた。原材料価格の上昇は続いたが、上昇ペースは前月から鈍化した。消費者への価格転嫁が拡大している。産出価格指数は72.7と、前月の70.2から上昇。過去20年近くで2番目の高水準となった。

※民間企業であるマークイット社が発表するユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)とは,景気転換の先行指標であり,製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化したもの。数値が前回より上回った場合,対象国の通貨は買われやすくなる。ESI(欧州委員会景況感指数)は企業や消費者のマインドを表し,国内総生産(GDP)と似た動きを示す代表的な景気指標である。同指数は50が活動拡大と縮小の分かれ目。