2024年10月報告

4. 中国の製造業景況感

財新/S&Pグローバルが30日発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.3と前月の50.4から低下し、昨年7月以来の低水準となった。ロイターがまとめたアナリスト予想の50.5も下回った。国内外で新規受注が冷え込んだ。9月の生産は11カ月連続で拡大したものの、新規受注は8月から大幅に減少。新規受注のサブ指数は2年ぶりの低水準となった。

新規輸出受注は昨年8月以降で最も速いペースで減少。企業は外需の悪化が要因と報告した。

米国は電気自動車(EV)を含む中国製品への大幅な関税引き上げを実施しており、欧州連合(EU)も中国製EVに対する追加関税を巡り近く最終決定を下す見通しだ。

財新/S&Pグローバルが同日発表した製造業PMIの低下やサービスPMIの弱さと合わせると、製造業と消費活動が依然として政策当局者を悩ませていることがうかがえる。 中国人民銀行と金融規制当局は29日夜、銀行に対し10月31日までに既存の住宅ローン金利を引き下げるよう求めるなど、より包括的な措置を発表した。当局は先週、コロナ渦以降で最も積極的な景気刺激策も発表した。保銀資産管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミストは「マクロ経済の課題に対処するために重要な政策は依然として財政政策だ」と指摘した。

中国国家統計局PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。
PMI(中国製造業購買担当者景気指数)
全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。
2009年設立の財新/S&Pグローバルの月例まとめ
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