4. 中国の製造業景況感
財新/S&Pグローバルが6日発表した4月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.5で前月の52.7から低下した。コスト圧力が背景。ただ新規受注の伸びが加速し、景況感も改善した。財新智庫のシニアエコノミストは、製造業も非製造業も今年、好調なスタートを切り拡大基調を数カ月に亘り維持していると指摘した。新規受注は昨年5月以来の高水準で、新規輸出受注も外需回復と観光の伸びがあり、過去10カ月で最大の伸びを記録した。サービス企業の今後12カ月の見通しは今年最高となった。
一方、コスト圧力がくすぶり、人件費や原材料、エネルギーの投入価格が上昇したが、上昇幅は長期的平均を下回った。サービス企業は顧客向け価格を引き上げる一方、離職者によって生じた欠員の補充には依然消極的だ。公表された政策を効果的かつ迅速に実施し、現在の景気回復の勢いが維持され、最終的に全体的な市場期待が改善されるよう一貫した取り組みが必要だ。
中国国家統計局PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。 |
PMI(中国製造業購買担当者景気指数) |
全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。 |
2009年設立の財新/S&Pグローバルの月例まとめ |
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