4. 中国の製造業景況感
財新/S&Pグローバルが1日発表した8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.0で、前月の49.2から上昇した。アナリスト予想の49.3も上回り、2月以来の高水準となった。
また、財新/S&Pグローバルが5日発表した8月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は51.8と7月の54.1から低下し、昨年12月以来の低水準を付けた。需要の弱さが経済の足を引っ張る状況が続いており、政府の景気刺激策による消費浮揚効果は限定的となっている。国家統計局と財新の8月の製造業PMIはどちらも市場予想を上回り、前月から上昇したが、サービス業の減速が景気の重しとなっている。財新智庫のエコノミストは「サービス部門の需給拡大ペースの小幅な鈍化が製造業の生産・需要の改善を打ち消した」と指摘し、景気に依然としてかなりの下振れ圧力があったと述べた。サービス部門の新規受注は増えたが2023年の平均を下回った。外需の弱さが一因。新規輸出受注は外需低迷を背景に昨年12月以来の減少となった。向こう1年の見通しに対する楽観度は9カ月ぶりの水準に低下。一方、雇用は引き続き増えた。製造業とサービス業を合わせた総合PMIは51.7と7月の51.9から低下。1月以来の低水準となったが、節目の50は8カ月連続で上回った。
PMI(中国製造業購買担当者景気指数) |
全国の製造業約820社の購買担当者を対象にしたアンケート調査。生産や受注について50を上回ると拡大,下回ると減少を示す。非製造業には建設,郵便,ソフトウェア,航空,鉄道,小売り,ケータリングが含まれる。 |
2009年設立の財新/S&Pグローバル |
中国の独立系経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”の原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。中国はインターネット上のメディアプラットフォームで記事の再配信が認められる報道機関の公式リストから財新伝媒を除外した。報道規制の強い中国で、リベラルな情報源として知られた財新の影響力を弱める動きだ。 金融ニュースを提供する財新は、汚職や公害、政府に対する国民の怒りなどを伝えてきた。リスト除外は微博を運営する新浪などのインターネットプラットフォームに財新の記事を掲載できなくなることを意味する。 |