2022年1月報告

1. 米製造業景況感指数:製造業回答者の声

Manufacturing PMI® at 58.7%

December 2021 Manufacturing ISM® Report On Business®

  • New Orders, Production, & Employment Growing 新規注文、生産、雇用は全て増加
  • Supplier Deliveries Slowing at a Slower Rate; Backlog Growing サプライヤー出荷は緩慢な遅れ;受注残は増加している
  • Raw Materials Inventories Growing; Customers’ Inventories Too Low原材料在庫増加;顧客在庫過少
  • Prices Increasing; Exports and Imports Growing 価格上昇;輸出入増加

【解説】米サプライマネジメント協会(ISM)が4日発表した2021年12月の米製造業景況感指数は58.7となり前月から2.4ポイント低下した。製造業の良好な拡大は続いたが、1月以来の低さとなり、市場予測(60.0程度)を下回った。個別指数は「新規受注」が60.4で1.1ポイント、「生産」が59.2で2.3ポイントそれぞれ低下した。一方、「雇用」は54.7で、4カ月連続で拡大を示す50を越えた。供給網の混乱で高まっていた「入荷遅延」は64.9で7.3ポイント低下した。

ISMは「需要が強く供給網に負荷がかかった環境が続いているが、労働資源と供給業者の配送パフォーマンスには改善の兆しがみられる」と指摘。その上で、景況感は非常に明るく、企業は22年に強気の見通しを持っているとした。

米ISM製造業景況感指数
製造業約350社の購買担当者に対し受注や生産状況をアンケート調査により聞き取りし、月初めの第1営業日(その2日後に非製造業を公表)に公表している統計。日本の企業短期経済観測調査(日銀短観)に似た統計といえます。米主要統計の中でも最も早く月初めに発表されるため、市場関係者の注目度が高く、景気の先行指標とされています。一般に好不況の判断の境目とされる50%を割れると景気後退で、50%を超えると景気拡大と判断されます。GDPとの関連性を持たせるために2008年1月分の統計より算出方法が変更され、現在は「新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫」の5項目(比率はそれぞれ20%)につき、「増加、同じ、減少」の回答結果をもとに算出する。民間調査機関13社の予測値(中心値)が前もって出回るので、リリース時にはそのギャップも重要になります。

製造業回答者の声WHAT RESPONDENTS ARE SAYING …

1Chemical Products 化学製品化学品のサプライチェーンは非常に緩慢に満たされている。未だ満杯になっていないが、直感では、化学品の原料の調達が容易になっていることを示すものだ。
2Transportation Equipment 輸送機械継続的な強い需要により、当社の生産施設は、材料と同数の車両を生産している一方で、世界的な半導体チップ不足のため、容量には限りが出てきている。
3Food, Beverage & Tobacco Prod 食品・飲料・煙草労働力は依然逼迫しており、離職が続いている。サプライチェーンの問題が依然顧客注文の削減を引き起こしている。トラック車両が不足しており、チームは長時間作業と毎日の供給制約に対処することで燃え尽きている状態だ。
4Fabricated Metal Products 金属加工製品価格上昇は鈍化しているように見え、納期は緩やかに短縮され、在庫は増えている。いわゆる丘の頂上に到達し、通常事態に戻れる緩やかな斜面を下り始めることを期待する。
5Petroleum & Coal Products 石油・石炭製品オミクロン株変異種による石油価格の低下は、2022年の生産と設備投資に関する懸念を引き起こすものだ。
6Furniture & Related Products家具・関連商品顧客からの強い受注により、景気は引き続き良好だ。労働、材料、輸送という圧力(外圧)と戦い続けている。
7Nonmetallic Mineral Products非金属鉱物製品2022年と2023年の建設プロジェクトは、当社には非常に堅調に思える。
8Machinery 一般機械鉄鋼の原価は幾分下がっているようだ。当社では鉄鋼の価格が少し落ち着くのを見てきたが、それでも非常に高いところだ。サプライヤーによる全体的な成果が向上し、契約通りの納期が改善されている。
9Miscellaneous Manufacturing その他の製造サプライチェーンの中断は昨年第4四半期に劇的に増加した。当社のサプライヤーの多くは、2022年1月や2月以降まで製品を出荷できない状態だ。
10Plastics & Rubber Products プラスチック・ゴム製品非常に堅調な注文活動で受注残が増えた。一方プラスチック原料不足は注文に衝撃を与えている。