3. ユーロ圏景況感指数
IHSマークイットが2日発表したユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は62.8で、過去最高だった6月の63.4を下回ったものの、速報値の62.6から上方修正された。経済再開により需要が急増する一方で、供給制約により投入コストが急上昇した。生産指数は61.1。6月は62.6だった。IHSマークイットのチーフビジネスエコノミストは「ユーロ圏製造業が、第2・四半期に記録破りの成長を遂げた後にやや減速したこと自体は、大きな懸念要因にはならない。ただ、7月調査では、製造業とそのサプライヤーが需要に応じてなかなか生産を拡大できず、価格上昇につながっている状況が一段と顕著になった」と述べた。投入価格指数は88.5から89.2に上昇し1997年6月の調査開始以来最高となった。販売価格も記録的な上昇となった。原材料不足の深刻化、物流の停滞で売り手市場になっている。価格が上昇しても需要は引き続き旺盛で、雇用は記録的なペースで拡大した。原材料不足の影響で受注残が増え、7月は記録的な水準近くに上った。
※民間企業であるマークイット社が発表するユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)とは,景気転換の先行指標であり,製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化したもの。数値が前回より上回った場合,対象国の通貨は買われやすくなる。ESI(欧州委員会景況感指数)は企業や消費者のマインドを表し,国内総生産(GDP)と似た動きを示す代表的な景気指標である。同指数は50が活動拡大と縮小の分かれ目。