2023年12月報告

3. ユーロ圏景況感指数

S&Pグローバルがまとめた11月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は44.2で前月の43.1から上昇した。ただ、景況拡大・悪化の分かれ目となる50割れは続き、人員削減は6カ月連続に及んだ。速報値の43.8から上方改定された。生産指数は43.1から44.6に上昇した。ハンブルク商業銀行のチーフエコノミストは「ほぼ全てのサブ指数は小幅に上向いたが、上昇トレンドを宣言するのに必要なダイナミズムを欠いている」と語った。需要、輸出、受注残を示すサブ指数はいずれも上昇したが、依然として50割れとなっている。新規受注指数は39.0から41.5に上昇し、6カ月ぶりの高水準となったものの、全体的な需要は19カ月連続で減少した。雇用指数は2020年8月以来の低水準に落ち込んだ。

米国の金融情報サービス大手S&P グローバル(S&P Global Inc.)
米ニューヨーク市に本拠を置く金融サービス企業。S&P グローバル・レーティングやS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなど、四事業体の親会社にあたる。旧社名はマグロウヒル・ファイナンシャル。S&P グローバルは金融サービス企業であるが、旧社名のマグロウヒルは出版社であり、金融サービス業との関係は、スタンダード&プアーズの買収以降となる。スタンダード&プアーズは、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)と、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)が、1941年に合併して発足した。1966年、マグロウヒルはスタンダード&プアーズを買収し、以降、出版社が金融サービス業を子会社の事業として抱える形態が続いた。1995年に社名をThe McGraw-Hill Companiesに変更。2009年12月にブルームバーグにビジネスウィーク誌を売却した。2013年5月1日に、マグロウヒルはマグロウヒル・ファイナンシャルに社名変更、2016年4月、子会社のJDパワーを売却、またS&P グローバルに社名変更した 。